目次
- 起きている現象
- スタータークラッチの仕組みと今回の不具合の原因
- 修理交換について
- 将来的な対応策
- 考察
1.起きている現象
- セルを回すと、エンジンを回そうとする動きがあり、最初の爆発があった辺りで、クラッチが滑り、モーターだけが空回りします。初期始動時(冷間時)には大抵起きます。
- セルが空転するので、セルスイッチ離すと、スタータークラッチのジャダー(クラッチが ガッツ!ガッツ!と音を立てます)。
- 何度も繰り返して、やっと始動します。
- 当然この現象により、ローラーと接触するギアの異常な摩耗やひっぱたきが起きているように思います。
- そのうちバッテリが上がってしまいます。
2.スタータークラッチの仕組みと今回の不具合の原因
- 私のバイクの場合は、ローラー式とも呼ばれるクラッチの様です。
- ローラー式のワンウェイクラッチは外輪パーツ、内輪パーツ、ローラー、スプリングで構成されています。
- スプリングによってローラーが外輪パーツのカム面と内輪パーツの外側の間に挟まれ、セルを回すと、内輪が外輪よりも速く回転し、ローラーを外輪に押し付けます。そして内輪のトルクを外輪に伝えてエンジンクランクが回ります。
- エンジンが始動するとエンジンクランクと繋がっている外輪パーツが早く回転し、内輪パーツよりも早い回転になります。結果、ローラーによるクサビが取れた形になり、両者のトルク伝達が切断される。
- 右上の一番小さい歯車がスターターモーターの軸で、それが2番目のギヤ(中間シャフト)を回し、それが一番大きいギヤを回しています。けっこうな減速比ですね。
(他者&他車の写真流用)
- 一番大きいギヤとワンウェイクラッチ ↓
- 問題のクラッチユニット ↓
- 整備士によると摩耗は起きないが、叩かれてつぶれが起きてしまったローラー。かみ合わなくなって滑りが発生。滑ってしまって機能していないローラー↓よくよく見ると段差があります。
- ひどい状態になると、スタータークラッチを止めるネジが磨滅とか緩んで脱落&エンジン内で暴れまわるらしい。当方のネジも摩耗しておりました。ゆるんだり、ネジの頭が飛ぶ前で良かったです。
- あるいはクラッチハウジングが割れるとか破片がエンジンオイル内に落ち込む。それは起きていませんでした。
3.修理交換について
- 中古が手に入るうちは修理するよりも交換してしまった方が安いとのこと
- どうしようもなく修理をしなければならない場合は潰れ面を削り落として熱処理したスリーブ
をリングギヤ側に圧入、研磨して若干オーバーサイズに寸法を出せば修理が可能らしい。良くわからない。 - 今回、オークションで落札し、修理で持ち込んだスタータークラッチは、まだしばらくは使用可能ということで、良いとこ取りをして組み込んでもらいました。
- 次にダメになったら社外の対策品を検討すると思います。
4.将来的な対応策
- どこかのwebでスタータークラッチの場合は、摩耗したら捨てるしかないとか、どれかの車種品を流用するしかないかとか、4万円もする強化スタータークラッチを使うしかないようなコメントがあるのを覚えています。
- 考察にチェックしたURLの一部を、下に載せておきます。本当に参考になります。
5.考察
- 私のバイクは高圧縮であることで、もともとのスタータークラッチ容量が小さいのでしょう。。
- もともと街乗りにはあまり向かないよくあるロードゴーイングレーサー(ホモロゲマシン)だということだと思います。
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他、有難いアドバイスを読みました。
参考URL2 http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-254.html
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しかし、いくつかのことに注意することで進行を遅らせることは可能になります。
注意すべき事項のうち、最も重要なことは・・・・
バッテリーの点検です。
弱ったバッテリーでセルモーターを回そうとすると、
キュ・・キュ・・キュキュ・・キュ・・キュキュキュ・ブルン!!
なーんて感じになりますよね。
これがいちばん段付き磨耗を促進します。ワンウェイクラッチは、その構造上、大きな力が瞬時にかかった場合にはきちんとロックするのですが、中途半端な力がゆっくりかかったりすると滑るんですね。
この滑りが段付き磨耗の最大の原因です。
ですので、常にバッテリーを元気な状態に保ち、セルモーターの周りが鈍くなってきたら早急に対処することが必要です。
なんとかエンジンを始動できるからといって、先に書いた、キュ・・キュ・・・なんてことを繰り返しているとすぐにダメになります。あとは、スターターリレーやセルモーター自体の状態も重要ですね。
つまり、常に勢い良く元気にセルモーターが回転するようにしておかなくてはいけないということです。この、3個のローラーが入っているタイプの耐久性は決して褒められたものではありませんが、唯一の救いはクランクケースを割らなくても点検交換が容易にできるといった点でしょうか・・・
近年のバイクのスタータークラッチはもうちょっとマシな構造になっていますが、クランクケースを割らないと交換できないものが多いですので、それはそれで大変だったりします。ーーーーーーーーーーー
参考URL http://jays-mc.jp/shop/detail.php?pid=19&ct=0&pt=3
下記については上記より転載させていただきました。
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販売価格:42,350円(税込) 《エンジン》
●ご注文の際に、排気量・型式を必ずご記入ください。
(例:CB750FC , CB1100RB)
CB-F/CB1100R
重量:約1,170g (純正約1,275g)
無加工にて取付可:Lサイドカバーガスケット(11395-425-306)を別途ご用意ください。
クラッチトラブルの多い1100Fで開発し、トラブルの要因をまた一つ取り除きます。
CB-Fにとって、スタータークラッチは弱点と言われてきました。
実際に起きた事例として、
○上記ジャンプよる、フランジの破損
○上記ジャンプにより、強力なセルモーターをつけると、ギアが割れることもある。
ギアに断続的に強力な負荷がかかり、その際割れる。
○フランジの破損による、ローラースプリングの脱落。
○脱落したスプリングがエンジン内部でギアなどに挟まり、他のトラブルを招く。
○フランジ固定用の3本ボルトの緩み(熱を持つので、ねじロックは効かない。軽い溶接では外れてしまう)
○上記ボルト緩みによるガタが生じ、クラッチが誤作動、、またはフランジにクラックが入る。
○1100純正パーツのうち、スターティングクラッチアウター、
スターティングドライブフランジはご相談ではなく完売。もう手に入らない。
○スターティングクラッチは「消耗品」と考えていたが、入手出来なくなった。
今まで、スタータークラッチは多くの問題を起こしてきました。
トラブルの対応手段を考慮してきました。滑りにくく、長持ちするエンジンオイルの選択や、緩みやすいボルトの固定にネジロックや溶接などを試みてきましたが、熱でネジロックの効果は無い、軽い溶接は外れる、強力な溶接はフランジのひずみが生じるなど、決定的な対処方法はありません。
「傷んだら新品交換」が唯一の方法でした。
他にも、力の弱いセルモーターを強化すると、クラッチのジャンプが起これば、いわゆるケッチンのようなエンジンからの反動でスターターギアやフランジが割れるなど、次の対策もできませんでした。
考えました。どうすればこのスタータークラッチの対策ができるか・・・・・
答えは、「新しく作る」です。
問題点を消去し、より優れたパーツを作ることが出来れば、心配なく走れるのです。
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(23.5.8 updated)
- ヤフオクでこんなの出てました。ローラーが3つよりも6つあれば、それはより良いかもしれません。しかしこれがエンジンのフリクション増加になりませんかね。
<CB750F 強化 ワンウェイクラッチ スタータークラッチ キット 対策品 RC04 CB900F SC01 CB750K RC01 CB750カスタム リビルド>
ご参考になれば幸いです。 2023年3月17日
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