オートバイは、コンスタントに乗ってやらないと、いろいろな不具合が新たに起きます。なるべく週1回に20㎞程度、乗るように心がけています。しかしエンジンが掛かれば良いということではありません。
- いつも気にしているのは、以下のことです。
- フロントフォークのオイルシールがインナーチューブに張り付く懸念、
- フォークインナーが錆びてオイルシールを傷つけてオイル漏れする懸念、
- キャブ内の燃料性状悪化で、始動不良&プラグの汚損、
- タイヤの空気漏れでのへこみが常態化して乗り心地が悪化
ということで、本題です
- 22年の3月頃に4番気筒、4月には1番気筒が失火するようになりました。それまでも長期間のらないときはエンジン始動後、しばらくはアイドルが不安定でした。
- 対策は、燃タンを下ろして、点火プラグの掃除または交換です。それで直っていました。
- この時代の車はフルトランジスタと呼ばれていた点火方式で、始動時で、ちょっとした燃料の濃さの違いで、失火するようでは、“不具合”といったレベルだと思います。
- 昔からアイドルが不安定な感じがあります。しかし1週間やそこらで連続的に発生するのは困ります。今は、何故か想定外の2番気筒が死んでいます。
- 点火系のメンテが必要なようです。もともと点火系は弱い感じがしていましたし、web情報でも、その指摘が多いです、以前は感じませんでしたが、最近は感じます。
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- 不調の原因
- 順番に部品を交換して不具合原因を特定する
- 結果
- 考察
- 雑記
- 1990年代のホンダのバイクは、大抵がフルトランジスタ点火ですから、通常、火花が弱くて、調子が悪いことは起きないと思います。昔ながらのポイント点火式やディストリビューターのメンテ不足は、ありえません。
- しかしながら当時のCB系は、もともとから点火が弱いと言われていたそうで、当方のバイクでも車検メンテの際、メカニックにイグナイターを交換してもらったことがあります。
- 今回の不調の原因は、点火系部品が古くなって、部品の本来の機能や性能が果たせなくなったのだと考えています。
- 今回は、この点火系のメインテナンスの話です。
- エンジン不調は、1番と4番気筒の点火系で、共通のイグニッションコイルとイグナイターを使うパーツが原因と思えました。
- 今回、2番気筒で起きました。1番、3番、4番気筒は今のところOkです。
- 仮に性能劣化であれば、同じようなことが、そのうち他の気筒で起きても不思議ではありません。両方のパーツ(1番&4番気筒用、2番&3番気筒用)を今回、同時にメンテしたいと思います。とりあえず不具合の原因を探りながら、のんびり進めます。
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- ちなみに「第29回のバイクな話の充電不良」は、まだ修理してもらえておりません。お店での修理が立て込んでいて、私の修理が後送りになっております。他のお客様が修理用の車両を勝手に置いて行ってしまうので、予定通りには、対応していただけてないのです。
- 従って、今は充電済みバッテリーに頼って走っている状態です。帰宅する度に、充電器で補充電しております。
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- また「オートバイ30 エンジン不調は、いつも1番か4番気筒だけど(イグナイターの交換))では、不調の問題は解決しておりません。不調の原因はイグナイターではなかったということですね。
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- やるべき特定作業は、そう多くありません。今回の原因調査は以下だと思っています。もちろん今までの経験も加味して考えます。作業のやり易さとか、コストも考えます。
1) イグナイターの交換 👈終了
2) イグニッションコイルのチェック&交換
3) 配線類の点検、
4) 点火プラグのメンテ
- イグニッションコイルを実車から取り出しました。
- またがった状態で、左側のコイルが1番と4番気筒用、右のコイルが2番と3番気筒用です。
- それぞれのコイルの1次側/2次側の内部抵抗の測定結果です。
左側:5.1オーム /12.2キロオーム
右側;2.7オーム /12.2キロオーム
- 左側の1次コイルの内部抵抗が右と違います。通常、この数値は3オーム前後ですから、左側のコイルが不具合品であると推定され、1番と4番気筒が不調だったことの理由かも知れません。
- 一番無難な対応は、両方のコイルとリビルト品に付け替えることです。しかし、ここでも2番気筒が不調になったことの理由がわかりません。
- リビルト品にするのか、強化品にするのか迷うところです。強化品にするということは、2次コイルの巻き数が多い、より高電圧を発生するコイルを付けるということなのでしょうかね。
追記)2022年10月4日 オークションでCB900Fで使っていたというイグニッションコイルとハイテンションコードを入手しました。その結果です。正常品とNG品の区別がつきますね。
- コイルの内部抵抗:1番&4番用コイル 3.02オーム(1次側)/12.5キロオーム(2次側) 2番&3番用コイル 3.04オーム(1次側)/12.8キロオーム(2次側)
- プラグコード:4本とも内部抵抗なし
- プラグキャップ:1番用-21.2キロオーム、2番用-無限大、3番用-33メガオーム、4番用-4.1キロオーム
- 今回は初期の正常な状態に戻すだけでなく、今後、劣化してきても十分に強い点火になるようにレベルアップもしたいと思っています。
- オリジナルのイグニッションコイルは以下の仕様でした。
TEC AW82-TRI イグニッションコイル
- AW82-TRI は、サービスマニュアルをみると、DR8ESまたはD9ESの点火プラグに対応しているようで、このオリジナルコイルのAW82-TRI は、抵抗入りでも抵抗なしプラグのどちらにも使えるようです。
- 抵抗入りプラグは、欧州の先進国仕向けで、抵抗なしプラグは、南アフリカとか、オーストラリアといった規制の緩い向けの様です。
- 点火コイルの強化に関しての以下のURLが参考になると思います。この方は、CB750 エクスクルーシブのイグニッションコイル(品番:30500-422-003)をCB400 SUPER FOUR用イグニッションコイル(品番:30510-KT7-023)に交換されています。
- CB400 SUPER FOUR用イグニッションコイル(品番:30510-KT7-023)は、NC39に使われており、点火プラグはweb検索でCR8EH-9でしたので、抵抗入りプラグですね。写真を見るとTRI MP8と型番が書いてあります。
- https://mickey.jp/%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B9/%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%83%AB%E4%BA%A4%E6%8F%9B/
- イグニッションコイルのMP8以降は、抵抗入りプラグを前提しているのだと推察します。
- AW82タイプはねじ止め点のスパンが102㎜です。MP8タイプに交換するならエクステンションを追加するための加工が必要です。やっぱり他にもいくつか、変更があります。
- 上のURLを参考にさせていただきました。
他、以下もあります。
- CB750FにウオタニSP-2を装着:http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-2455.html?sp
- オリジナルはAW82と書いてあるコイルでしたが、いろいろ調べ行くと、以降のCBの4気筒モデルではMP8とか、更に次のモデルではMP10とかに変わっているようです。
- MP8タイプは、CB400SF前期モデルとか、VF400とか使っているようです。
- MP10タイプは、CB400SFやCB1300、BROS、STEEDとかで使っていますが、オークションではそう多くは出ておりません。
- 以下のURLの情報によると、
- MP8タイプを、更にMP10タイプに交換するのは、ホンダの純正流用での点火系の簡単チューニングでメジャーなようです。以下の記載を転載させてもらいます。
http://2ufxuhg4.blog2.fc2.com/blog-entry-1544.html?sp
- MP8➡MP10では、若干コイルが太くなるようですが、止め点はMP8とMP10は共通の82mmの様です。(AW82タイプは102㎜です。エクステンションなどの加工が必要です)
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2006年03月20日 CB400Super four、2006年のマイナーチェンジで「イグニションコイルを大型化し、より安定した火花を供給することで、特に低回転域での扱いやすさを更に向上させている。」との記述があるのだ。これがMP08からMP10への変更を意味している…って、まぁコイル流用に興味のある方は….
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- 昔、どこかで読んだことがあるのですが、排ガス規制強化で、点火プラグでの着火性を高いレベルに保つ必要があり、点火系の強化が行われた。
- そうであれば、普通に考えると、排ガス規制が強化された1998年の1回目の排ガス規制以降のモデル(2サイクルエンジンが全滅)か、2回目の排ガス規制の2006年以降のモデル(空冷エンジンが全滅)に使われているコイルが良いかもしれません。はたまた2016年以降の Euro4対応モデル(多くの名車が中止)用がいいのか
- 上の情報から考えると、MP10のコイルがよさそうですが、CDI化とかシステム全体が見直されている場合、コイルの内部抵抗が変わり、返って点火システムの部品を壊すようなことになるかもしれません。
- 仮にMP10の1次側の抵抗が3オームくらいで、2次側で、従来の1.5kV から4Kvのコイルに変わっていたりすると、何やら一般的に売られている強化コイルと同じレベルになりますね。
- 強化コイルの情報 :強化コイルでも1次側の内部抵抗の数値を守っているようにおもえます。https://www.h-craft.net/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%84/%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%83%AB/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%83%AB/
- 以下のモデルはMP10を使っている様です。
CBR1100XX、CB400SF(NC39)ボルドーㇽ、CB1300SF、シャドウ400、スティード400
- オークションの出品者が、MP10のコイルの内部抵抗の実測データを載せていました。
“一次側:2.4Ω 二次側:33.3KΩ” とっても貴重な情報です。
5.雑記
- 次回は、最終的にMP10を選んだ理由を整理したいと思います。
- ヤフオクでMP10の型番のイグニッションコイルを探しました。その際、ホンダだけでもいろいろな型番のイグニッションコイルがあることに気づきました。なんでなんだろうと疑問に思いました。
点火系強化で、イグニションコイルで、2次側の巻き数を増やして高電圧を発生させ、点火火花を強化するのが基本に思えますが、いろいろ満たすべき要件がありそうです。
コイルに電力をチャージする十分なドエルアングルとやらが十分に取れているか、
コイルに流れる電流でコイルの劣化を早めないか、
高電圧は、ハイテンションコードあるいはコイル内でのリークを生じる可能性がないか。
- エンジンの特性に応じて適したコイルを選択することは最適化の点で大事に思えます。SR400、CBX400、CB1300SFが同じコイルモデルで良いことはないと思います。
- 以下、イグニッションコイルを選択する上での注意点です。参考になります。
参考URL:http://meu1.com/coil.html
以下抜粋↓
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イグニッションコイルの選定は非常に重要で、間違った選び方をしますと機器の破損を招き大変危険です。慎重に考え、正しくお選び下さい。
まず、考え方の順序として、最初に「使えるか、使えないか」があり、その次に「その点火システムに対し最適か、又は最適ではないが害でもないか」があります。何万ボルトと表示されてるから強力だ、レース用だからパワフルだ、そんな単純な考え方でコイルを選びますと場合によっては車を壊してしまったり、ひどいと車両火災の原因になってしまう可能性すらあるのがイグニッションコイルです。一般的にハイパワーを謳ったものは主にCDI用が多く一次側抵抗値が低すぎポイント点火やフルトラ式には使えないものが殆どで、レース用と謳われたものは街乗りでは却って良くない場合も多く、巻き数が多い方が火花が強いと思えば巻き数が多ければ多い程火花の立ち上がりは遅くなり、巻き数が少ない方が立ち上がりがシャープと言えばそれは即ち励磁が弱く出力があまり高くない、など…. 即ちコイルというのは万能というものはなく、点火システムごとに専用のものが設計され、用途に最適な仕様のものをチョイスする「必用」があるわけです。
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参考になれば幸いです。
2022年8月1日
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