1.まえがき
手元に以前、軽自動車から外したデンソーのアンテナ別体型のETC(DIU-9100(SL) )があります(2007年モデル)。これをオートバイで流用するにはいくつかチェックすべきことがありました。これらを解決しながら作業を進めました。以下の2つです。ご覧になっている方にはお勧めできません。悪しからず。
- 「2007年以前の規格に則って製造されたETC車載器」は、旧スプリアス規格で製造・認証されたETC車載器の可能性があります。
- 自動車用のアンテナ別体型のETCのアンテナが流用できるか。
- ETC本体ユニットの防水と振動対策
目次
- 新スプリアス規制を満たしているか
- デンソーのアンテナ別体型ETCの仕様について
- パッチ型アンテナの一般的な特性について
- 本品のパッチ型アンテナの取り付け
- 考察
2.新スプリアス規制を満たしているか
- 右のサイトで確認しました。 https://curama.jp/etc-install/magazine/2426/
- 2007年モデルは、2008年以降に使えるように新スプリアス規制を満足させていました。
- 車の場合は、法規が変わる以前に販売したものは法規適用外になります。一方で電波を発する送信機は、中古品であっても、既に実用に供していても、法規に満足しなければ、たちまち使えなくなります。
3.デンソーのアンテナ別体型ETCの仕様について
- デンソー製MODEL DIU-9100(SL) のスペックとアンテナの設置方法https://www.denso.com/jp/ja/products-and-services/automotive-service-parts-and-accessories/etc/download/files/54300451JA.pdf
- 実際の消費電流は、待機時で40mA なので、さほど大きくなくポータブルでも使えそうです。
<仕様>
電源電圧 DC12V(10~16V)
最大消費電流 0.5A(+B、12V時)
外形寸法 (幅×奥行き×高さ)
ETC車載器 65mm×97mm×17mm(取付部 +1.1mm)
アンテナ 28mm×29mm×10mm
質 量 ETC車載器 83g、アンテナ 57g
使用環境 温度:-30~85°C、結露なきこと
- アンテナの向きは、以下のようにするよう指示しています。
- 3mのケーブルは同軸ケーブルですね。アンテナはパッチアンテナと思われます。
4. パッチ型アンテナの一般的な特性について
- ETC 用車載アンテナについて https://www.furukawa.co.jp/jiho/fj108/fj108_02.pdf
<アンテナの特性例>
周波数範囲: 5.795 ~ 5.845 GHz
偏波: 右旋円偏波
利得: 5 dBi(中心値)
軸比(3 dBi 以下)帯域: 100 MHz 以上
半値角: 0 °以上 (大体80度くらいです)
寸法: 20 mm 角以下
<アンテナ素子の構造とアンテナの指向性>
- このETCと刻印されている部分の反対側が接着面になります。アンテナの指向性を考えるとダッシュボードに付けるのかガラス面に付けるかは、ETCゲートの受信機の方を向くか反対に向くかの話であり大事なことです。
- このアンテナの場合、接着面が電波の放射が強い側です。つまり接着面を上向きにする。
- またどちらを車の進行方向に向けるかも重要です。同軸が取り付く側が後ろ側ですね。
- 誤差としては、半値角が80度くらいあるので、アンテナが40度程度、上下に傾くぐらいは許容されそうです。左右も同じ40度くらいズレても大丈夫そうです。
参考文献:
https://www.topic.ad.jp/sice/htdocs/papers/201/201-10.pdf
アンテナ パターンとその意味
アンテナ パターンとその意味
無線LANアンテナを理解する PART2
オムニアンテナ、指向性アンテナ、八木アンテナ、パラボラアンテナの特徴を視覚的に紹介し、無線LANにどのようなメリットを提供するかを解説する。
http://ieice-hbkb.org/files/04/04gun_02hen_05.pdf
5.本品のパッチ型アンテナの取り付け
- アンテナは、クラッチ側のアームプロテクターの内側に張り付けています。防水と自動車のウィンドウの角度と大体合うように張り付けています。振動とかで剥がれたりしないようにしっかりと、付ける必要がありますね。
- ETC本体はリヤボックスにプチプチで包んで入れてみました。
- アンテナと繋がっている同軸がリヤボックスのフタでつぶれない様に、加工することも大事です。つぶれると、同軸でのロスが大幅に増えます。注意点です。
- 電源は、キーがオンになった時に、ETCにも電圧がかかるようにします。考えた結果、リヤブレーキのブレーキランプスイッチのホット側を使いました。防水のことは考えておく必要があります。
6.考察
- このETCは以前軽自動車に付けていたものです。私の軽自動車の情報が登録してあります。自動車用ですがオートバイ用で登録できるでしょうか。➡問い合わせたら流用「禁止」と言ってました(オートバイ60を参照してください)。
- 気になるのは、アンテナがアームプロテクタの裏にあります。防水目的です。電波が樹脂のアームプロテクタを通過する際のロスが大きいのか。実際に使ってみないと分かりません。
- 何せ5.8GHzの電波の同軸通過ロスは、かなり大きいです。同軸が3mにもなれば、-6dBくらいあります。(2.5mでー5dBと論文に書いてありました)それに比べれば樹脂を通過する損失は、わずかと言えるのかもしれません。
- 西湘バイパスの料金所では使えました。表示は「軽二輪」でした。見た目、どちらか分かりません。7月7日
ご参考になれば幸いです。 2023年6月6日
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