オートバイ-14  2サイクルオイルのグレード FDグレードが本当は良い?(バイク)

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2020年夏にプライベートブランドのコメリ2サイクル用を買いました。そのオイル缶は高級オイルのイメージがわかない絵柄でしたが、FDグレードと書いてありました。

手元に持っていた空き缶のカストロールがFCクラスなので、安いがカストロールよりグレードが上?ということで、事実を調べて整理しました。結果は意外でした。(Updated 2021.8.5)

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まえがき

先日、田舎でバイクのオイルを買いに農機具などを売っているコメリに行きました。

そこのお店には普通のDIYのお店で売っているカストロールオイルや安めのCCISスズキ2サイクルオイルを置いていませんでした。草刈り機用のブルーオイルが何種類かおいてありました。

売っている見なれたバイク用オイルは、有名どころのホンダ純正オイルだけでした。高いんですね(1200円くらいだった)。田舎では売れ筋が違うんでしょうね。

悩んだ結果、その会社のプライベートブランドのコメリ2サイクル用を買いました。

そのオイル缶は、高級オイルのイメージがわかない絵柄ですが、FDグレードと表示があります。手元に持っていたカストロールがFCクラスなので、ひょっとして安いが、カストロールよりグレードが上?ということで、事実を調べて整理しました。

目次

1.そもそも2サイクルエンジンオイルのグレードって何?

2.歴史的背景

3.バイクにあったオイルのグレード選び

4.まとめ

5.雑記

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1. 2サイクルガソリンエンジンオイルのグレードって何?
  •  日本自動車技術会規格(JASO規格)で、二輪自動車、汎用機、船外機などの2サイクルガソリンエンジン用のオイルを定めた規格です(1994年に制定)。
  •  2サイクルガソリンエンジン用のオイルを、指定された試験方法で評価し、FA、FB、FC、FDの4クラスに分類した規格。
  •  品質の基準を表わすのは以下の4段階です。

FA・・・ JASOの定める最低限の性能を有する (2003年に規格削除)
FB・・・ FAより潤滑性、清浄性に優れる
FC・・・ FBよりさらに排気煙、排気系閉塞性に優れる (別名、スモークレスタイプ)
FD・・・ FCの基本性能に、さらに清浄性能を高めたオイル (2003年に規格追加)

  •  刈払機、チェンソー、バイク用に発売されているオイルのグレードは上記の3種類(FAは廃番)となっており、アルファベットが進むにつれて、上位互換となると理解できます。
  •  現在販売されているエンジン式草刈機とチェンソーは、FCグレード以上、混合比が50:1にするよう推奨していることが多いです。
2. 歴史的背景

このアルファベットは我が国の自動車技術会(JASO)が制定した新しい2サイクルエンジンオイルの品質基準を表わす記号だそうで、ガソリンエンジンオイルのような品質を判断する規定がなかった時代がありました。

  •  JASOはエンジンメーカやオイルメーカ、学識経験者や有識者の意見を取り入れ、独自の品質基準を定め、1994年7月1日より採用が開始されたようです。1994年はそう古い話ではないと思います。
  •  1998年に排ガス規制が強化され、2サイクルのスポーツバイクが全滅しますので、事実上、産業用2サイクルエンジンに主軸を置いた規格になっていった。(残存する2サイクルバイク用には、今あるオイルのラインナップだけでよいわけで、新しいものを出したところで、新たな需要はありません)
  •  これらの記号(FD 等)のオイルを販売する場合にはオイルメーカーが独自に各エンジン試験を行い、JASOに届け出し、認定を受けます。認定後、承認を受けたオイルには識別番号が 各社のブランド毎に表示されます。
  • 「FDなどの表記のないオイルは品質が悪い」と判断はできません。JASOの規格に合わせて試験をしてまでの認証を必要としない他国のオイルメーカは、このような表記をしないというもあるということです。
3. バイクにあったオイルのグレード選び
  • 以下が、オートバイメーカが推奨している自社ブランドのオイルのグレードです。

    カワサキ2T-R純正オイルJASO規格 FC、ベースオイル 部分合成油

    ヤマハオートルーブ純正オイル JASO規格 FD、ベースオイル 半合成油

    CCISスズキ純正オイル JASO規格 FC、ベースオイル 鉱物油

    ウルトラGR2ホンダ純正オイル JASO規格 FC、ベースオイル 半合成油

  • これらを見ると、「FCがFDよりも信頼性が高い」という評価にはなりません。
  • FDが特徴的なのは、さらに清浄性能を高めたオイル (2003年に規格追加)ということです。何が清浄化されたのかは、明記がありませんが、排気の清浄化ということでしょうね。
  • エンジンの排ガス規制の流れを受けた2サイクルの排気ガスをより改善するということですね。エンジンの動力性能から見たら、FCグレードで良いということです。

(追記 2021.7.10) 先ごろ、私と同じ見解の方がおられました。

商売の関係でしょうか。チェンソーについてやたらと詳しいです。そちらからの2サイクルオイルに関する知見です。この方は、潤滑だけならFBグレードが良いというスタンスです。この部分は同じ見解です。

ガレージ隼人さん:https://g3hayato.com/machine-maintenance/mixed-gasoline

4. まとめ
  • バイク用の2サイクルエンジンオイル選択について、エンジン動力性能から見たらFCグレードで良い。
  • グレードの記載がないから性能が悪いということを意味しない。信頼はオイルブランドに置くこともある。
  • 1994年に制定されたこのJASO規格は、1998年に施行されたバイクの排ガス規制を強く意識していた。1998年に2サイクルバイクが販売ストップになった以降での2サイクルガソリンエンジンの排気ガスの清浄化も重要な課題であったであろう。
5. 雑記

Wekpediaからの転記と、自分なりの考察

FCグレードについて

(Wekpediaからの転記)↓

2ストロークオイルのうち、スモークレスタイプのFC、FD規格には排気管の閉塞を防ぐ為にポリブテン英語版)が添加される事が一般的で、基油に対する添加率が高いほど排気煙は減少し、排気管(チャンバー)の閉塞も起こりづらくなる。

これに対して、FB規格では鉱油モータースポーツ向けオイルや船外機向け生分解オイルではエステルのみが用いられる事が一般的であり、スモークレスタイプと比較して排気系閉塞性は大きく劣る傾向がある。

ポリブテン100%の2ストロークオイルと、鉱油またはエステル100%の2ストロークオイルとの間では、排気管閉塞指数上では4倍もの格差が発生する。この事は2ストロークエンジンの初期性能を維持する上では大きな障害であり、初期性能維持の為にポリブテンの添加は不可欠であるとされている。

しかし、ポリブテンの短所として同分子量の鉱油と比較して粘度が高い為に、添加率が多くなるほどトルク損失が大きくなる傾向があり、一度エンジン部品に付着すると新しいオイルとの置換が起きにくくもなる為、特に高回転時におけるクランクシャフトコネクティングロッドベアリングの潤滑性が低下して焼きつきが起こりやすくなる事が、2002年の新日本石油ヤマハ発動機の共同実験により判明している。

具体的には、ポリブテン40%程度のFC規格油を基準(ベアリング潤滑指数100)とした時、鉱油またはエステル100%のFB規格油は110から120、ポリブテン100%のFC規格油は90前後という格差が発生したという[9]

2ストロークエンジンのうち、10000rpmを超える超高回転が連続使用される事も珍しくないチェーンソーでは、このポリブテン添加による副作用が特に問題になりやすかった事から、スティール社は自社のチェーンソー向けの純正2ストロークオイル(FB規格)の注意書きに「スティールのチェーンソーには、ポリブテンを配合した低煙オイルは絶対に使用しないで下さい」とまで明記していた程であった[10]

これらを根拠として、「草刈機やチェーンソーなどの、超高回転域で使用される2ストロークエンジンには、FCやFD規格よりもFB規格の方が向いている」とする意見も一部では見られるが[11]、前述の実験を実施したヤマハ発動機では、2ストロークエンジンの初期性能維持の為にはポリブテンを添加は不可欠であると明言した上で、ベアリングの潤滑性を確保する為に、下記の3項目を提言している。

  1. 基油に質の良い鉱油やエステルを選定した上で、ポリブテンの添加量を排気閉塞性や排気煙性能の許す限り少なくする。
  2. ポリブテンの高分子量部分の添加は可能な限り避ける。特に分子量1000以上のものの添加は厳禁である。
  3. 上記2点を踏まえた上で、排気閉塞性指数(JASO M343)120以下、排気煙指数(JASO M342)100以下、ロストルク指数(JASO M340)100以上の水準を維持するように2ストロークオイルを開発する事で、ポリブテンを添加してもベアリング潤滑性は十分に確保されるという。

私の考察)↓

つまり、FBグレードが、高出力2サイクルエンジンには向いている。ただし排気管のすす溜まりには、メンテナンスということですね。1970年や60年代の2サイクルバイクにはFBグレードのオイルが良いということかもしれません。

わざわざFBグレードの認証をとるメーカはないでしょうから、自分のバイクには、自己責任で、チェンソー用を選ぶとか、JASO規格の記載がないが、昔からの信頼のおけるブランドを選ぶということになるでしょうかね。

(追記 2021.7.10) 先ごろ、私と同じ見解の方がおられました。

商売の関係でしょうか。チェンソーについてやたらと詳しいです。そちらからの2サイクルオイルに関する知見です。この方は、潤滑だけならFBグレードが良いというスタンスです。この部分は、私と同じ見解です。

ガレージ隼人さん:https://g3hayato.com/machine-maintenance/mixed-gasoline

皆さんのご参考になると幸いです。

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